フォークオイルは涼しいうちに
暑くなれば集中力は続かないし、蚊が湧けば痒くなるので…(^^ゞ
今のうちに集中メンテ敢行、懸案第2号のフロントフォークのオイル交換です。
・初ZETA
相変わらずの家庭の事情で時間が取りにくいけど、この時期を逃すとウッカリすれば秋…
と云うこともあり得るので、無理やり時間を作って実行~
今回のフォークオイル交換は、うちのセロー君3回目になる。
1回目はYSPで12.5wで。
2回目は自力でテクニクス(TGR)のスプリング入れ替えとともに15W。
で、今回ただのオイル交換だけでは面白さに欠けるんで、トップキャップイニシャルアジャスター(ZETA製)の交換を併せてやります。
*こんなん出ました (^^ゞ
リリース開始直後だったようで、まだインプレも無く若干心配でもありましたが、やはり試してみなきゃわかりませんから。
*よくあるプリロード調整機構と正圧逃しバルブ付き
実のところ、長年こういった製品があれば即Getとも思っていた。
そのうちNAG社のブリィートというFサスの猫足化を狙ったカートリッジエミュレータ(インナーバルブ)+ニードルベアリング+プリロード付きキャップのコンプリートキットが発売され、これが実に好ましく正直欲しかった。
実際その製品は、タンデムさんでも良い感じでインプレが上がっており本当に悩ましい存在でした。
なのに何故、このZETAのトップキャップ。
決定打となったのは遊んであげられる時間に乏しいこと…
ブリィートでは、オイル粘度や空気量の設定、更にはスプリングの下に沈めたバルブの調整とかで、設定1発で出せるという訳には行かなそうで、俗に言う腰が引けた、ということです。
価格の問題もありましたが、設定が落ち着けばその効果は計り知れない気も…残念。
現状では、趣味なのに「サクッ」と終りたいもんなんでZETAさん。
しかし、この後伏兵が潜んでいたのをこの時知る由もないのであった… (^^ゞ
・空気室の問題
パッケージを開けて本体をしげしげと眺めれば、なんだか金属の充実感が半端ない。
スプリングのプリロードをかける大きな螺子回しみたいな機構ですから、まーそんなもんでしょう。
ふと気が付く。
おやこれって…空気室容量が圧迫されるということじゃないの?!
という訳で、早速物体の体積を測定を実施。
*外径
ここは、既存のワッシャと同程度のφ29mm。
*フォーク内に入る部分の長さ
要は空気室容量が食われる体積を知りたいんで標準位置のプリロードレベルからの計測、で33.5mm位。
*影響少ないかもですが、一応計測
ここの内径はφ9mm。
既存のトップキャップの体積は外してからの測定なんで慌ただしい。
*既存では…
内径φ21.8㎜、 同じく長さは17.5㎜。
*並べればこのとおり
なので…端折りますが、概算では以下の如くになります。
旧V=5㎤
新V=20㎤
(ホントか?)
その差は15㎤になるんで、内径の断面積で除すれば油面(下がり)を22mm加算することになる?
その計算が正しいかどうか、なんて今逡巡というか考えている場合ではないんで…それでやります。
*こんな状況ですから
あとは、オイル入れてみての手ごたえかな (-_-;)
*こんな色初めてじゃ
前回排出時は、きれいなワインレッドだったんで、今回もと思っていたらきれいな小豆色?
前回新SPを入れたからか⁇
*今回はヤマルーブ15W
迷ったら無難な純正派です。
*集合写真(TOPキャップイニシャルアジャスターと例のベアリング)
上の写真では、左からプリロードアジャスター付TOPキャップ、付属カラー、ワッシャ(位置的にはキャップ・カラー間に入る)、スラストニードルベアリング(ワッシャ+本体+ワッシャ)。
その上にあるのは、純正キャップのOリング(純正)と、1枚だけで写っているのがSP上の純正ワッシャ(再使用)。
カラーは長さが短いものが付属してくるので加工の手間がなくてよい。
今回これにプラス?で、定番化しつつある?スラストニードルベアリング(日本トムソン NTB1629)も試しますが、功罪如何にあるやらん。
一説にはダンピングが足りなくなる懸念とかも云われてますが、この物、既に仕入れてから半年余り。
いい加減に使わないと出動の時期を逃しそうなので、やっとの出番。
*SPの上にチョコンと載せて
スプリング上には既存のワッシャ、その上にスラストニードルベアリング用の専用ワッシャと本体と、また専用ワッシャ。
この上には肉厚の薄いカラーが乗るんで、もう一枚ワッシャを重ねてもいいかもしれない。
*カラーの新旧差分(約18.5㎜)
その上に新カラーと付属の分厚いワッシャ。
*再調整で除いたオイル(左右分)、すでに汚れが…
油面は例の油面調整器具を使用。
標準ではTOPから125mm下がりとしていたのですが…
ここでは、先ほど求めた22mmを足し都合147mm。
で一度セットしてキャップ締め、全体を手で押してその反発力を探れば、これが…強いかなー?
オイルがあの色であれば、油として草臥れていて既に柔くなっていたのかもしれないので、交換前の感覚は当てにならない?
何よりも大事な油面調整(=空気室量)なんで、的を外せば再びフォーク取り外してリカバリー…が面倒。
やや迷うが、時間も無いので、もう一回キャップを外しSPを引き上げ、油面を150㎜(この設定値は勘)に再調整。
*器具を150mmに再調整
さぁーて、結果はどうでしょうか?
一応ですが、油量は(250+130)=380㏄から、27㏄引いて353㏄とこれは計算上の値。
これでセット完了、お次は…
*僅かですが数本のクラック発生
ダストシールに微少なクラックは前回のベアリング交換時に見つけていた。
*ダストシールも交換(左新、右旧)
クラックともなれば迷わず交換。
*オイルシールは問題なさそうだった
オイルシールは無傷のようです。
実のところ、打ち込みとか面倒そうなので、一安心。
*なんだか高級感が漂っているぞ~
セロー250では殆ど目にしないアルミニウム削り出しの部品。
ゴージャスぽっくっていいかも。
*なんとか終了
あとは、元に戻すのみ。
オイルレベル(空気室容量)が丁度いいといいんだが…
・印象
①押し歩き
ビギニングが少し早い感じではあるが、ストロークさせても反発感や過渡特性的には不思議な感じがない。
②家の前とかの低速域
少し前傾?な感じがしなくもないが慣れの範囲、もしくはプリロード変えればいいだけか。
概ね変な挙動もない。
③通勤時
前輪からのショック激減にびっくり。
前が動いているからか、逆に後ろの挙動がよく判るようになり、これが固めであったことを再認識。
もっともツーリング時の荷物満載でも破綻がなかったんで、リアーはそういうセッティングになっていたということか。
小突起を乗り越えるような場面ではビギニングが良いためショックを感じにくい。
ブレーキング時ダイブしても適正であるし、反発のストローク範囲や、そのお釣り(回数)が従前より明らかに少なくなっている。
*納まったー
総じて、空気量(油面)、オイル粘度ともに的に入ったようです。
勘を動員した部分もあったので、運がよかったということだと思います。
なんとなくですが、3年経過のフォークオイルが相当疲れていた、ともいえるかも。
適正なダンピングを維持するには、2年に1回程度の交換が良いのかもしれない。
とりあえず、現状では再設定の必要性を感じません。
良かった々、ということですが、これも経過観察案件でしょう。
・PS
高速道がどんな案配かで、いつも通りの川越1区間ライド。
低速域では微細なショックを感じなくなっていたが、高速域でも同様でペタッと安定した走行感。
但し、速度を上げるとピッチングが目立つ場面も…
もっとも空荷だったんで積めば落ち着くような気もするし、追い越しの場面の速度域なので、普通に走っている分には問題ないと思う。
帰りの一般道では、大きな段差(縁石、穴ぼこレベル)での底付き感が、見られる場面もあった。
以前がどーだったかの記憶が無いので比較が出来ませんが…
考えてみれば、スラストニードルベアリングによりビギニングが向上しストロークスピードが以前より上がり易い、とすれば底付きも不思議では無いかも。
この件だけなら空気量を少し減らす(オイルレベルを上げる)とか、オイル粘度を更に上げてみるとか考えられるんですが、そーすると旋回時の姿勢とか何かが微妙に変わるかもしれない。
因みに、プリロードは標準位置のまま。
取りあえず擬似的な効果としてここを弄ってみても良いかもしれないが…
いづれにしても、ベアリング追加でフロントフォークのバランスを崩したことに間違いない訳です。
今後、絶妙な領域に近づけられるのか、或いは単に慣らされていくだけか。
新しい状況に付合いつつ考えていくのが本当は面白いんだが…
色々イジル時間が取れればいいんだけどねー (^^;)
・PS2
ショートツーリングにて、再びインプレッション…
どうも前回とは印象が違ってまして、その訂正です。
ワインディングでは前の沈み込みがやや少ない感じ。
オーバーステアっぽいので、あれれ?
前に体重をかける感じで何とかしのぐ。
よく考えればベアリングとそのワッシャ2枚の厚みで計4mm。
アジャスタの標準位置から見れば、この分のプリロードがかかっていたことになる…
調整は可能なので、引き続きトライです。
それと空気量を若干増やす(オイルレベルを減らす)ほうがいいかもしれない。(ウーム、どうしようか?)
以上、前回とは180度反転評価ですが、大きく困るほどでもないのも事実。
やや沼、かもね…(^^ゞ
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